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18枚の紙切れ

ドラゴンタイプ:栄光の対価

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「僕はモノズ。君、嗅ぎ慣れない匂いをしているけど、誰だい?」

「そうか、君は目が見えないのか。俺はタツベイ。硬い頭が自慢のドラゴンポケモンさ」

「硬い頭? 君は頭が悪いのかい?」

「違う違う。頑丈な頭を持っているってだけだよ。それはそうと、君はなんで身体中が傷だらけなんだ?」

「んんん? きず? 僕は目が見えないからよくわからないなあ。きず、ってなんだい?」

「そうか、頭が硬いのは君の方かもね。傷っていうのは、痛い目にあったり、怪我をしたりするときに出来る、見ていて苦しくなるものだよ」

「むむー、そんなものがあるんだあ。けど、僕は痛いことも怪我も、よくあることだけどなあ」

「ほー、なるほど。じゃあ、それは男の勲章……ってやつだな」

「くんしょう?」

「おう。それは男の宝物だ。探検したり冒険したり喧嘩したり……そうやって少しずつ身体に刻まれていく……謂わばメダルみたいなものだってことだ」

「めだる? それって凄いの?」

「まーな。それはもう、誰にも譲れないような大切なものだな」

「わー、凄い! 僕ってそんなに凄いんだね!」

「うんうん。その点俺は頭が硬いせいで傷跡なんて大層な勲章は残らないからな」

「じゃあタツベイも頭を柔らかくすればいいんじゃないの?」

「無茶言うな。それに、君は……大きくなって目が見えるようになったとき、少しだけ後悔することになると思うよ」

「こうかい? それも凄いの?」

「やっぱり頭が硬いのは君のほうじゃないのかな……」

「僕の頭もタツベイみたいに硬いの? 凄いや!」

「あぁー……話がややこしくなってきたよ。話を戻そう。君は大きくなったらそれを悔いることになるだろう」

「何で〜?」

「考えてみなよ、君が傷だらけになるのは、やはりそれだけ他のナニカにも傷を負わせているってことだ。大きくなった君は気付くだろうさ。自分の栄光の対価は、確かに重いものだった……と」

「ごめんね、タツベイ。僕、君が何言ってるのか全然わからないや」

「……そうかい。まあ、わからなくてもいいさ。いや、いずれわかるときが必ず来る。だから、それまでは男の勲章を……誇りに思うといい」

「タツベイには無いの? くんしょう」

「まだ無いね。だけど、俺は将来空を飛ぶんだ。そのときはその翼こそが勲章になるさ」

「空を飛ぶの? うわぁ、凄いね!」

「君もいずれ、翼が生えて来ると思う。だからいつかふたりで空の旅行にでもいこうじゃないか」

「うん、行きたい!」

「その時は、対価なんていらない栄光を、探しにいこう……なんてな」

 

2018年2月12日作成
2018年2月12日更新
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