5 / 18

18枚の紙切れ

こおりタイプ:Tiny Snow Doll

読了目安時間:約 3 分です。

 一月二十日。天気、雪。
 マスターが私の為にお友達を呼んできてくれた。私と同じバニプッチの見た目をしているから、この子の呼び名は『プッチ』にしよう。仲良くなれると良いな。

 一月二十七日。天気、雪。
 マスターが連れてきたプッチは、私より年下なのか、何故だか言葉を喋らない。一週間の間、何とかお話ししたいと思って声をかけたんだけれど、なかなか反応してくれない。私のこと嫌いなのかな?

 二月三日。天気、雪。
 今日はプッチに似合うだろうと思って、雪景色の中で一際目立っていた植物の真っ赤な実を使ってプッチの頭につける飾りを作ったの。喜んでくれるか不安だったけど、嫌そうな顔はしなかったから私としては嬉しかった。早くプッチと遊びたいな。私の最近の楽しみはプッチと一緒に景色を眺めることだった。

 二月十日。天気、雪。
 プッチとかくれんぼをしようと思って、ジャンケンをしたの。まあ、私もプッチも指がないから、取り敢えずプッチに何かしてほしいと思って鬼の役を頼んだの。だけど、私が隠れても、ずうっと、プッチは見つけに来ない。何でだろう。疲れてるのかな?

 二月十七日。天気、雨。
 今日は朝から土砂降りの雨だったんだ。おうちの外にいるプッチが濡れちゃったら大変だから、急いでマスターに頼んでおうちの中に避難させたの。大雨で路上の雪がグチャグチャになっちゃったから、また明日から雪が降ってくれると良いな。

 二月二十四日。天気、雨。
 あれから一週間がたったけど、マスターが言うには変わった前線がやってきているらしくて雨は一向にやまなかった。ずっと雪が降らないから、元気をなくしたのか、プッチはなんだかいつもより小さく見えた。早く元気になってくれると良いな。

 三月三日。天気、晴れ。
 長かった大雨警報も身を潜め、遂に私たちの街にも太陽燦々の晴天がやってきた。雪が降らないのは残念だけど、これでプッチと鬼ごっことか駆けっこが沢山できるようになったんだよ。私はそれがとっても嬉しかったんだけど、マスターは何だかしんみりとした悲しそうな表情をちらつかせていた。なんでだろう。そして、プッチの体は、初めて来た時よりずうっと小柄になっていた。

 三月十日。天気、晴れ。
 プッチが急に家から居なくなった。別に喧嘩したわけじゃないよ? ただ、マスターはプッチが病気になったから、遠くに行っちゃったんだって言っていたんだけどね。それならお見舞いに行かなくちゃいけないと思ったけど、マスターもプッチが何処にいるのかはわからないって。急に居なくなるなんて寂しいよ。けど、仲良く……できたよね。そう信じることで、自分を納得させたの。そんなプッチがいつも座って居た場所には、大きな水溜りの跡が、くっきりと残っていたの。

 

2018年2月12日作成
2018年2月12日更新
5 / 18